HOME > 日本史の戦場とは?

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適者生存

人間は自然界の厳しい環境に適応できたからこそ食物連鎖の頂点に君臨し、現在の繁栄を手に入れることができた。社会には自然界のような絶対的な秩序はない。しかし、社会の変化に順応したものが多く成功を収めていることも事実である。では、あなたは受験という環境に自身を適応させているだろうか。根拠のない情報に踊らされてはいないだろうか。自分には当てはまらない常識に振り回されていないだろうか。小さな成功体験にしがみついてそれを実行することで再び成功を得られると思っていないだろうか。自身に都合のいい法則を作り出し、それに従い行動していないだろうか。水性動物が陸上で生活したらどうなるかは子供でも分かることである。

受験環境に適応するというのは常に謙虚な姿勢をもって学ぶということである。思い上がりや思い込みで学習しても決していい結果を得られない。謙虚であるということは自分の無知を素直に受け止め、その教えを請う立場に立つということであり、力あるものに従属することとは違う。恥ずべきことではない。十数年間で身につけた欲やプライドや役に立たない常識を自身の隅に抑えこみ、現在置かれた環境で生き抜く術を謙虚に学ぶ。受験環境では過当競争は存在しない。ならば、環境に適応したものは誰でも勝者となれるのである。

受験結果に責任を持つ

受験では結果がすべてであり、予備校講師はその結果に一定の責任を持つべきである。ではどのように責任がとれるのか。私は私の授業を受けている受験生に対して、受験が終わった後に私の授業が自身にどのように効果があったか、なかったのかを正確に後輩や友人に伝えて欲しいとお願いしている。これは自分自身を宣伝してもらおうという意図でおこなっているのではない。私の指導法が万が一にも生徒の成績や受験結果に反映されていないのであれば、それを他の受験生に知らせなければ、多くの受験生を路頭に迷わせてしまう。

もちろん、毎年大勢の合格者から私の指導法についての効果は検証しているのであるが、私は自身の指導法が正しいと思っているのであるから、その効果を他に正確に伝えることができるのは私の指導を受けた悪意なき生徒だけである。その結果、私は現在の受講生だけではなく、私の教えをうけた生徒にまで評価されることになり、目の前の生徒にその年だけ教えさえすれば自分の責任は免れるといった指導はできなくなるはずである。私はこうすることで受験結果にも一定の責任をもつ授業ができるように教壇に立っている。

ブラックジャックはいい人ではない

予備校は大学合格を目的とする受験生が集まる場所である。ゆえに、大学合格という目的をかなえてくれる講師、つまり受験生の成績を上げる講師が「いい講師」である。受験生もこの基準で選べば、講師を間違えることはない。「いい人」であることと「いい講師」であることは必ずしも一致しないのである。手塚治虫の名作『ブラックジャック』は腕利きの名医であるが、社会的には決していい人として描かれているわけではない。

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