足りないのは語句ではありません。あなたの「覚悟」です。

受験日本史の勉強をしていると、自分のやっている日本史の語句量が少ないのではないか、この語句量では入試問題が解けないのではないか、と不安になる受験生からの質問を受けることがあります。ハイレベル日本史問題演習(注:学校法人代々木ゼミナールの講座名。早慶などの難関私大の過去問を中心に講義演習を行なっている。)で使うテキストに掲載されている過去問を用いて、その受験生の既習事項で問題を解いてみせると納得して帰って行くのですが、受験生はこの時期、どうしてこのような思い込みをしてしまうのでしょうか。

まず、申し上げておきたいことは私の授業と授業後に受験生が完成させたサクナビ及び講習講座の受講によって合格に必要な「絶対」の語句量を身につけることができます。この絶対量は「最低限」という下限を指しているのではなく、どのような難度の語句のある入試問題を解答しても、総得点に対して90%~80%前後の得点率を維持できる語句量ということです。

もちろん、語句を関連づけることによってさらに難度の高い形式問題が解答できるようになります。この解答力をさらに向上させるのに必要なものが「知識量」とその「質」です。知識は、問題演習などを通じてサクナビで学習した語句を関連づけることで増やしていくことができます。また、個々の問題を検証し、さらに知識の汎用性を広げていくことで、その知識の「質」を高めていくことができるのです。もちろん正答率も上がり、得点率も高まります。この知識量や質を高める能力をつけてもらうための講座が夏期講習や冬期講習に設置されている『土屋文明の日本史 正誤問題克服』や『土屋日本史 難関私大形式演習』の講座です。

お分かりだと思いますが、知識量は語句量とイコールではありません。入試にほとんど出題されない語句を覚えても知識量は増えませんので、かけた時間の割には合格に必要な程度には正答率があがらないものです。また、自分では知識をつけたつもりでも、汎用性を身につけることができなかったために問題が解けないこともあります。

この時期にかかえてしまう「足りないのでは?」という不安は、既習事項を「覚えていないのでは」という焦りから生じるものなのです。そしてその不安は、大きな穴のあいたバケツと同じで決して満たされることはありません。現役生や今年から日本史を始めた卒業生ならば、うまく学習をすすめることができず焦りもあるでしょう。しかし、限られた時間の中ではできることは決まってしまいます。余計な事をすると大切な時間が失われていくだけです。まず、自分自身の日本史学習そのものに眼を向けて、得点に結びつかないような無意味な学習を排除して既習事項を何度も反復して完璧にするように心がけてみて下さい。反復することは決して無意味な行為ではありません。反復学習をおこなうことで語句どうしの関連性や分野、時代の特定事項の同質性に気がつき、理解を深めることができます。これこそが、知識量を増やす第一歩なのです。

受験生であれば誰も知らない語句をひけらかして得意になっている人に出会うこともあるでしょう。その人は極度の不安と焦りによって自分の学習を見失い、そうした行為をおこなうことのみを心の拠りどころにしているのです。そして、それらは学習に確信を持てない他の受験生の心に伝染していきます。合格者の流儀にある難関私大の合格者はそうした自分に降りかかる「災い」をことごとく振払いながら軸をぶらさずに覚悟を決めて勉強しています。

あなたの覚悟は決まりましたか。

                                             日本史講師 土屋文明