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東洋水産(マルちゃんの「麺づくり」)のCM |
2007/08/18(Sat.) |
何気ない食卓。奥さん役の中川翔子が座っている。すると突然、往年の仮面ライダーのイントロが流れ、はたとテレビに目を向けると「♪迫る・・・食感」「♪ノンフライダ−」のだじゃれを交えた替え歌においおいとつっこみをいれたくなる。マルちゃんの「麺づくり」のCMである。
仮面ライダーは1971年に当時の小学生を中心に大ヒットした石ノ森章太郎原作の特撮テレビ番組である。仮面ライダーはショッカーという悪の組織に改造人間にされた本郷猛が組織から逃げ出し、ショッカーと戦うというストーリー。ショッカーが毎回繰り出す怪人にライダーキックやチョップなどで戦う仮面ライダーという設定に多くの子供たちが熱狂したテレビ番組であった。当時小学生であり、現在40歳代になる男性ならほとんどがこのテレビ番組の主題歌を今でも歌えるのである。
ならばこのCMは40歳代をターゲットにしたものかとうとそうではない。日本即席食品工業協会が公表している平成18年度の3ヶ月間のインスタントラーメンの年齢別摂取率のデータがある。この調査では12〜19歳が前回の91.9%から99.0%に、20代は89.9%から94.1%、と若年層で増加しているものの、50代では同87.2%から78.8%に、60歳以上ともなると73.2%から68.8%と高年齢層で減少しているのである。
最近のインスタントラーメンの摂取率は高齢層では減少しているのだ。さらに一人当たりのインスタントラーメンの消費数は昭和50年以降、30年間ほとんど増加していない。即席めん業界としては何とか一人あたりの消費量を増やしたいのであるが、若年層がいくら即席めんを消費しても急速に高齢化する日本では全体の消費量減少を食い止めることはできないのである。そこで、高齢層の即席めん摂取率を高めるため高齢者をターゲットにしたプロモーション(広告、販売促進)が必要になった。
では何故仮面ライダーなのか。
このCMは1971年に見ていた現在40歳代のノスタルジーに訴えるためのものではない。現在、40歳代の人間が、その子供の時になにかにつけて仮面ライダーグッズを買わされ、何度も目の前で仮面ライダーに変身したわが子を子育て過程で強烈な記憶として残している、まさに60歳後半の層に訴えかけているのである。中川翔子を使い、アニオタが喜ぶ構成にしてあるが、実はあの仮面ライダーの音楽そのもので自身の子育てをオーバーラップさせることのできる60歳代こそがこのCMの訴求する購入層なのだ。また、生めんに近いとされるノンフライ麺という言葉を、その世代に受けやすい「だじゃれ」というキーワードで広く周知させることにも成功している。商品の注意喚起を促すCMとしては非常に完成度の高いものといえる。
ではCMでは何故仮面ライダーそのものがでてこないのか。それは仮面ライダーが昆虫の「バッタ」の能力をもつ改造人間であるため、昆虫のバッタを想像させないようにするための配慮である。食べ物のCMであるがゆえの制約もあるのである。
東洋水産HPのCM紹介ページ http://www.maruchan.co.jp/cm/index.html |
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エバラの浅漬けの素のCM |
2006/07/08(Sat.) |
家族で体操ともダンスともつかない踊りで♪きざんでつけてもむだけよー♪でおなじみのエバラの浅漬けの素のCMは、おそらくCMの中に「ゆるさ」を取り入れた最初のCMである。
サラダ漬けの素は川平慈英を中心にミュージカルを意識したきびきびした動きのあるCMに仕上がっているのに対し、浅漬けの素は正反対にゆるさを強調している。これは前者はしゃきしゃき感を視聴者に訴えたいのに対し、後者はしっとりした漬け物のイメージを強調したいに他ならない。
そこで、「つけて→もむ」という歌から「ゆるさ」をイメージさせるため、左手奥で踊るおじいさんの動きの“緩慢さ”が必要になったのである。現在のCMは2本目であるが、最初のCMからこのおじいさんの動きが常に緩慢であるのはそのせいである。おじいさんの緩慢さは、早く漬かるということを暗喩しているのだ。
しかし、このCMにも失敗があった。第1作目は「♪エバラの浅漬け、の素なら、きざんで、つけて、もむだけよ♪」の2節の目の「の素なら」が1節目と離れてしまい、消費者に商品名を覚えさせることができなかったのである。この失敗から2作目(海水浴、ハワイ編)は商品名を2フレーズ目にもっていき(おそらくカットしたかったのであろうがスポンサーの意向を汲んだのであろうがあろう)、またまたゆるーいおじいさんに状況とは異なる服装(ランニングシャツ)をさせて、踊りの途中でおじいさんに振り向かせることで消費者の目を最後部の浅漬けの素の大きなボトルに向けさせたのである。
このCMは商品名を覚えさせる歌だけをとりえとするものではなく、その踊りやキャスティング、背景を十二分に活用した高度なCMなのである。 |
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そんぽ24のCM |
2006/06/05(Mon.) |
♪みっなおそーみなおそお、そんぽっ!♪でおなじみのあのCMである。このCMはずいぶんと練られた構成であることに気がついたであろうか。最初のCMで向かって左の動物の動きが他と比べて遅く、回数を多く見るほどそのユーモラスな動きに惹きつけられてしまう。CMのノリとあいまって見事な宣伝効果を演出したCMだったのだ。 しかし、前作を受け継いだ2作目のCM、♪めーんどくさい…、では失敗した。保険選びはあまり男性にとっては面倒でもなんでもない。継続書類に印鑑を押してコンビニでお金を払い込むだけだからだ。CMで訴える対象が曖昧でかつアプローチでミスを犯してしまった。 そこですぐさま、現3作目で♪いまーのまんまでいんじゃなーい?という男ならではのずぼらな面を鋭くついて、あの動物は♪旦那まかせじゃいられない、と歌って女性に保険契約の見直しを迫った。このCMが女性に受けがいいのと、家計の財布を握っている女性に絞ったCM構成となったのだ。また、「めんどくさい」という台詞の残像(自社の保険契約をめんどうくさいと思われるネガティブイメージ)を残したくないため、またしても左の動物の鼻を携帯ではなく(携帯でもめんどうくさいから)、インターネットのマウスにしてしまうことで見事に解決しているのだ。 このCMは回を重ねるごとに宣伝の対象(誰に訴えるか)がはっきり打ち出されてきた典型的なマーケティング型のCMなのである。 |
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